キャットフードに含まれている栄養素(脂質)
キャットフードには脂質が含まれています。脂質と聞くと肥満をイメージする方がいますが、正しく与えれば、猫にとって重要な役割をする栄養素です。
そこで今回は、キャットフードに含まれている栄養素の一つである、脂質についてご紹介します。
猫にとって脂質は欠かせない栄養素
猫にとって脂質は、筋肉や脳の働きを活発にする効果があります。そのため、脂質は欠かせない栄養素です。
猫はペットとして飼育される前、獲物を狩れず、飢餓状態になる猫が多くいました。
その際、エネルギーを貯蓄することにより、命を長らえることができました。
そのエネルギーの一つが脂肪です。
その名残もあり、現在でも余った脂質は身体の中に蓄えられ、必要なときにエネルギーとして変換されます。
過度な脂質の摂取は肥満の原因
前項でもご紹介した通り、体内で余った脂質は蓄積されます。この蓄積された脂質がエネルギーに変換されることなく蓄積され続けると、いずれ脂肪となり、肥満になります。
そのため、脂質の過度な摂取は控えなければなりません。
脂質を過度に摂取する猫の多くは、主食として食べているドライキャットフードの他に、肉や魚といったおかず、歯磨きやスナックといったおやつを食べているケースが多いです。
心当たりがある飼い主さんは、おかずやおやつ、主食の量を制限し、食べ過ぎに注意をしましょう。
また、脂質は猫にとって良い匂いがするので、食欲増進のため、脂質を通常より多く含んだフードを、病気や怪我により食欲が減退した猫に与えることがあります。
このようなフードを必要としている猫が健康な猫と同居している場合は、食事が終わるまで、飼い主さんが付いているといいでしょう。
そうすることで、健康な猫の肥満を避け、脂質をより必要としている猫が必要な食事をできるので、双方の猫が健康に近づくことができます。
脂質を抑えると猫はイライラする
肥満の猫をダイエットさせるため、脂質を抑えたキャットフードが販売されています。しかし、このようなフードを利用したダイエット方法は失敗する可能性が高いです。
脂質にはアラキドン酸という成分が含まれており、脳の働きを良くする効果があります。
また、アラキドン酸は体内で生成することができないため、レバーや魚といった食材や、キャットフードから摂取しなくてはいけません。
ところが、脂質を抑えたダイエットをすると、アラキドン酸が不足し、イライラしてしまいます。
猫はイライラすると、仕切りに皮膚や被毛を掻いたり、脱走しようとしたり、物を壊したりと、異常な行動をしてしまいます。
このような姿を見て、キャットフードの量を今までと同じ量に戻してしまい、ダイエットに失敗してしまうことが多いです。
ダイエットの際は脂質を抑えたキャットフードに変更したり、フードの量を減らしたりはせず、運動量を増やすことから始めるといいでしょう。
猫は脂質からエネルギーを得ているため、キャットフードには脂質は多く必要です。
キャットフードに含まれている脂質は、肉や魚から取り入れていることが多いのですが、フードによっては植物から摂れる油脂を使用している場合もあります。
しかし、動物から摂取できる脂質が猫の健康を維持できるため、脂質は肉や魚から取り入れているフードを選ぶとより良いでしょう。