おいしそうな色のついているキャットフードには注意
キャットフードによっては、おいしそうな色がついたフードがあります。色鮮やかなので、思わず手にとる飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
かく言う私も、動物に携わる勉強をする前は、おいしそうな色のついているフードを好んでいました。
そこで今回は、キャットフードにおいしそうな色をつける理由や着色に使用する添加物、そしてその添加物のデメリットについてご紹介します。
おいしそうな色をキャットフードにつける3つの理由
キャットフードにおいしそうな色がついているのは、猫の健康を考えてのことではありません。様々な事情から、フードには色付けがされています。
以下では、おいしそうな色をキャットフードにつける3つの理由をご紹介します。
飼い主さんに喜んでもらうため
キャットフードの安全性について詳しくない飼い主さんは、見た目が良いフードを選ぶことが多いです。キャットフードは本来、着色料を使用しなければ、牛肉をウェルダンで焼いたような濃い茶色をしています。
しかし、このような濃い茶色のフードは飼い主さんの受けが良くないので、赤や青、黄色といったカラフルな色合いにし、飼い主さんの購買意欲を刺激しているといわれています。
食材の劣化を隠すため
キャットフードによっては、4Dミート(※)とよばれる劣悪な肉を使用している場合があります。このような素材を使用しているフードは匂いや味が悪く、見た目も最悪です。
そのため、劣悪な素材を隠すために着色料を使用します。
食材の劣化を隠すためにおいしそうな色をつけている場合、極端に低価格だったり、10㎏を超える大容量タイプをメインに販売したりしていることが多いので、参考にしてみて下さい。
(※)4Dミートとは
4Dミートとは、「Dead(死んだ)」「Dying(死にかけている)」「Diseased(病気の)」 「Disabled(けがをした)」の4つの頭文字をとったアメリカの造語です。
本来、食べるべきではない食材を着色料や香料、合成調味料を使用して、おいしいキャットフードと騙して猫に食べさせようとするメーカーが使用する肉です。
防腐剤との兼用を兼ねているため
事項で詳しくご紹介しますが、亜硝酸ナトリウムという発色剤と保存料のどちらの役割も成す添加物があります。このような添加物は効率良く使えるため、低価格のキャットフードには頻繁に使われています。
おいしそうな色をキャットフードに着色する3つの添加物
前項でもご紹介しましたが、キャットフードは本来、濃い茶色をしています。それでも、色鮮やかなおいしそうな色をしている場合は添加物が使用されています。
以下では、おいしそうな色をキャットフードに着色する3つの添加物をご紹介します。
亜硝酸ナトリウム
前項でも少しご紹介しましたが、亜硝酸ナトリウムは発色剤と保存料の2つの効果がある合成添加物です。肉や魚といった動物性たんぱく質と一緒に摂取することで、ニトロソアミンという発がん性のある物質に変化することが分かっており、猫の健康を優先しているフードには使用されていません。
合成着色料
合成着色料とは、赤、青、黄の3色から成る、食品への着色を目的とした添加物です。原材料にはそれぞれ、赤色〇号(赤〇)、青色〇号(青〇)、黄色〇号(黄〇)(〇には数字が入ります)と表示されます。
合成着色料は強い着色力を持っているため、メーカーごとに安全基準を設けて使用しています。
しかし、赤色106号のように遺伝子損傷や発がん性を起すもの、青色1号のように摂取量と摂取方法によっては死に至ることが分かっているものもあります。
合成着色料は、主にフードをおいしそうに見せるためだけに使用されているので、合成着色料不使用のフードを選ぶことをオススメします。
天然着色料
天然着色料とは、野菜や果物が持つ天然の色素を使用したものです。合成着色料に比べて安全性が高いといわれていますが、着色が悪く、褪色しやすいことから滅多に使用されません。
おいしそうな色がついているキャットフードの3つのデメリット
人工的においしそうな色をつけているキャットフードは、その分、副作用もあります。以下では、おいしそうな色がついているキャットフードの3つのデメリットをご紹介します。
免疫力が低下しやすい
合成着色料や亜硝酸ナトリウムは、摂取することで体内に蓄積されます。すると、身体がこれらの添加物を処理するために過度な負担をかけてしまうため、臓器が弱ってしまいます。
すると、身体が弱るだけでなく、ビタミンやミネラルといった必要な栄養素を吸収する力まで弱くなるので、免疫力が低下します。
アレルギーを発症しやすい
アレルギーは、その栄養素や物質に対して身体が対応しきれなくなったときに発症します。つまり、前項でご紹介した免疫力低下が悪化すると、アレルギーを発症します。
アレルギーは、その栄養素や物質を摂取しなければ症状が現れません。
また、一度でも発症すると完治できないといわれているので、添加物が使用されたフードはできるだけ与えないことが無難です。
がんを発症しやすい
おいしそうな色をフードにつけるために使用されている添加物の中には、赤色106号のように発がん性のあるものや、亜硝酸ナトリウムのように他の物質と一緒に摂り入れることで発がん物質を生み出してしまう添加物もあります。猫は限られた色しか識別ができないため、フードの色合いを楽しんで食事をすることはないので、フードの色合いを気にかける必要はありません。
キャットフードがおいしそうな色をしていると、栄養バランスが取れているように見えることがあります。
例えば、赤色をしているフードの粒は肉の色に見えたり、緑色や黄色をしているフードの粒は緑黄色野菜の色に見えたりします。
しかし実際には、生の状態の食べ物の色がフードに反映されることはありません。
猫の健康のためにも、おいしそうな色のついているキャットフードには注意しましょう。