キャットフードになぜ穀物が含まれているのか
突然ですが、あなたはキャットフードに穀物が含まれている理由をご存知でしょうか。飼い主さんによっては、肉食動物である猫のフードに穀物が使われていることを不可解に思うことでしょう。
そこで今回は、穀物を使用しているキャットフードをテーマに、穀物を使用する目的やデメリットについて考え、そのデメリットの解決方法についてもご紹介します。
穀物をキャットフードに使用する目的とは
猫は肉食動物のため、穀物を多く食べる必要がありません。しかし、多くのキャットフードで、穀物が当たり前のように使用されています。
では何故、穀物は一般的に使われているのでしょうか? 以下では、その理由をご紹介します。
低コストでキャットフードが作れる
穀物は、猫が主食として食べるべき肉や魚と比べて原価が安いので、コストを抑えてキャットフードを製造することができます。キャットフードへの出費を抑えたい飼い主さんや、フードの原材料にあまり関心が無い飼い主さんもいるため、そのニーズに応え、穀物をメインにしたフードを販売しているメーカーもあります。
かさまし
肉や魚を多く使用すると、一粒当たりのカロリーが高くなります。それに伴い、1回の食事量が減ることになります。
それではボリュームが足りず、食べごたえが無く、ストレスを感じてしまう猫もいます。
そのような猫のため、ダイエット専用のキャットフードを製造する際、かさましを意図とし、穀物を使用することがあります。
便秘改善に有効
穀物には、便秘を改善する水溶性食物繊維が豊富に含まれています。そのため、肉食により便秘を起こしやすい猫にとってはメリットがあります。
但し、食事の割合において、穀物は1~2%程度を摂取することが良いとされており、主食として与えるには問題があります。
そのため、便秘改善を目的としても、主原料として穀類を使用しているキャットフードはオススメできません。
穀物をキャットフードに使用することによるデメリットとは
穀類を主原料としたキャットフードには、フード全体の25~40%程度の穀類が使用されています。しかし、前項でもご紹介した通り、穀物は全体の1~2%程度を摂取できれば十分です。
そのため、穀類を主原料にしたフードばかりを与えていると、トラブルを起こすこともあります。
以下では、穀物をキャットフードに使用することによるデメリットをご紹介します。
穀物アレルギー
肉食動物である猫は、穀物の消化、吸収が苦手です。このような原材料が使用されているキャットフードを食べ続けると、穀物の許容範囲がオーバーし、アレルギーを引き起こす場合があります。
猫が食物によるアレルギー反応を起こすのは、殆どが穀物といわれており、日本では穀物を主原料としたフードが一般的に販売されています。
その結果、穀物アレルギーを起こす猫が多い、といわれています。
肥満
キャットフードで穀物を使用する理由の一つに、たんぱく質の補給があります。しかし、穀物の主成分は炭水化物です。
炭水化物は糖質を含んでいるため、肥満や糖尿病の原因になります。
肥満は内臓に負担をかけ、運動不足のきっかけにもなるので、決して無視できません。
万が一、キャットフードのパッケージに表示されている通りの量をあげているにも関わらず、飼い猫が太ってしまったら、キャットフードの原材料を確認してみて下さい。
穀物が主原料として使用されているかもしれません。
穀物を使用していないグレインフリーというフードとは
肉食動物である猫にとって、穀物は殆ど必要ありません。そのため、穀物を一切使用していないキャットフードである、グレインフリーというフードをあげるといいでしょう。
グレインフリーは、チキンや七面鳥といった肉や、サーモンやマスといった魚を主原料としています。
また、穀物で摂れる食物繊維などの必要な栄養素は、野菜や果物といった天然由来の食材を使用していることが多く、猫の身体に負担をかけない配慮がされています。
ドイツやフランス、カナダなどでは一般的に販売されていますが、日本では種類が少ないため、ペットショップやネット通販での購入がオススメです。
本来の猫は、生肉に含まれるブドウ糖から糖質を摂取しています。
しかし、キャットフードに使用されている肉は加工しているため、ブドウ糖は含まれていません。
そのため、ブドウ糖を補うため、穀物を使用しているケースもあります。
穀物が問題視されているのは使用量であって、食材そのものに問題があるわけではありません。
キャットフードに使用されている穀物の量は、飼い主さんが正しく見極めましょう。
(※)キャットフードの原材料の使用量を見極める方法とは
キャットフードの原材料は、使用量が多い順に表示されています。
具体的な使用量をパーセンテージにして表示しているフードもありますが少数派であり、そこまでの表示義務はありません。