キャットフードの原材料(穀物)
キャットフードの原材料を見ると、穀物が一番最初に表記されていることが多々あります。原材料は、その製品を製造する際に最も多く使用した順に表示しています。
つまり、キャットフードは穀物が主原料として製造されているものが多いということです。
そんな穀物は、猫にとってどんな効果があるのでしょうか。
そこで今回は、キャットフードの原材料として使われている穀物についてご紹介します。
キャットフードに使われている穀物とは
キャットフードには、トウモロコシや小麦、米といった穀物が多く使用されています。そのため、穀物が猫にとって良い食材と勘違いをしている飼い主さんがいます。
多くのキャットフードで穀物が使用されているのは、原価を安く抑えられるためです。
総合栄養食(※1)の場合、猫に必要な栄養素を基準値まで含有しなければ、販売することができません。
そのため、原価が高い肉や魚の代わりにたんぱく質が豊富な穀物を使用しコストを抑えてフードを製造していることもあります。
(※1)総合栄養食とは
総合栄養食とは、そのフードと水だけで必要な栄養バランスが確保できるフードのことです。
猫と穀物は相性が悪い
猫は古来より、肉を食べて生活をしていました。ペットとして生活している現在でも、肉食動物であることに変わりはありません。
しかし、穀物が主原料のキャットフードが多い日本では、このようなフードを食べ続けてアレルギー反応を起こす猫が後を絶ちません。
本来、猫が穀物を食べる機会は、獲物となった小鳥や草食動物の胃や腸に残った未消化の穀物や草を、獲物の臓器などと一緒に食べるときだけです。
このように少量の穀物であれば、猫の腸を刺激し、便秘や毛球症(※2)の予防になります。
しかし、肉食動物である猫の腸は短く、穀物をスムーズに消化吸収できる体の構造ではありません。
そのため、大量の穀物は猫の消化器官に負担をかけ、消化不良で下痢や便秘、さらにアレルギー症状を起こしやすいです。
つまり、穀物が主原料のキャットフードは、猫の体質に合っていないのです。
(※2)毛球症とは
毛球症とは、グルーミングなどにより誤飲した被毛が腸に詰まる病気のことです。
健康な猫の場合、排便や嘔吐により被毛は体外へ排出されます。
しかし、嘔吐が苦手な猫や長毛種の猫は、被毛が体内に留まりやすいので発病しやすいです。
猫には穀物不使用が良い
前項でもご紹介した通り、猫は肉食動物なので、穀物を積極的に摂取する必要はありません。そのため、グレインフリーという穀物を一切使用していないフードを猫にあげるといいでしょう。
グレインフリーは消化と吸収が良く、肉や魚といった動物性たんぱく質をメインに製造しているため、穀物アレルギーを抑える効果があります。
しかし、グレインフリーのキャットフードばかりを与えていると、胃や腸を刺激することがあまり無いので、便秘になってしまう猫もいます。
そのため、猫草を用意しておくといいでしょう。
キャットフードに関する記事を閲覧していると、穀物を悪い食材として紹介していることがあります。
しかし穀物そのものは、猫の腸を刺激して病気を防ぐ効果があります。
ただ、キャットフードに使用している場合、使用量に問題があるのです。
穀物にアレルギーを起こしていないのであれば、少量の摂取をオススメします。