キャットフードに含まれている栄養素(ビタミン)
ビタミンには種類があり、その1種類ずつに違う効果があります。そのため、ビタミンの摂取は他の栄養素に比べて種類豊富に摂取する必要があります。
そこで今回は、キャットフードに含まれている栄養素の一つである、ビタミンについてご紹介します。
ビタミンは皮膚や被毛の健康を整える
ビタミンには、脂肪分によって溶けやすい脂溶性ビタミンと、水分によって溶けやすい水溶性ビタミンがあります。脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすく、過剰に摂取すると肌荒れなどを起すため、注意が必要です。
一方、水溶性ビタミンは体内に蓄積されにくく、余分に摂取しても尿と一緒に排出されます。
つまり、定期的に摂取をしないとビタミンが不足してしまい、被毛がパサパサしたり、視力が低下したりしてしまうため、注意しましょう。
また、猫は体内でビタミンを生成することができません。
そのため、キャットフードやサプリメントといった食べ物からビタミンを取り入れるように心掛けましょう。
キャットフードに含まれるビタミンの種類 4選
ビタミンは、猫の健康をサポートするためだけにキャットフードに含まれているのではなく、酸化を防ぐために使用されていることもあり、その役割は多岐にわたります。以下では、キャットフードに含まれている主なビタミンをご紹介します。
ビタミンA
ビタミンAは、目や骨、皮膚や粘膜などをサポートする働きがあります。また、感染症を予防する際にも、ビタミンAは欠かせない栄養素です。
感染症への抵抗力が低下した猫に、予防のため、チキンや卵、牛や豚のレバーといったビタミンAを豊富に含んだ動物性の食品の給餌を勧める獣医師もいます。
但し、ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、過剰摂取には気を付けましょう。
ビタミンB1
ビタミンB1は、炭水化物を分解する役割があります。肉食動物である猫にとって炭水化物の消化、吸収は難しいため、ビタミンB1は非常に重要な役割を担っています。
また、ビタミンB1は水溶性ビタミンのため、多く摂取しても尿として排出されてしまうので、こまめに補給をしましょう。
ビタミンC
ビタミンCには、免疫力をアップする効果があり、酸化防止剤の代用として使用されることもあります。また、ビタミンB1同様、水溶性ビタミンのため、こまめに補給をさせないと不足しがちになり、痙攣や体重の減少といったトラブルを起こすこともあります。
ビタミンE
ビタミンEには、疲労回復や血液をキレイにするといった生活習慣病を予防する働きがあり、高齢の猫には欠かせない栄養素です。但し、脂溶性ビタミンのため、過剰に摂取すると身体に負担をかけてしまい、逆効果になるため注意しましょう。
猫は野菜に含まれる色素を栄養素に変換することができない
野菜にはビタミンが豊富に含まれています。中でも、猫にとって重要なビタミンであるビタミンAは、緑黄色野菜に豊富に含まれています。
しかし、緑黄色野菜に含まれるビタミンAは、β-カロテンをビタミンAに変換することで、その機能を発揮します。
人間や犬はこのβ-カロテンをビタミンAに変換することができますが、猫にはその能力がなく、鶏肉や卵といった動物性の食品からビタミンAを摂取することが重要になります。
また、猫にとって重要な役割を果たすビタミンB1は、良質なキャットフードであれば、豚やラムといった肉から摂取することが一般的です。
しかし、グリンピースなどの野菜からビタミンB1を取り入れることもできるため、フードによっては原材料として使用することがあります。
ところが、野菜は肉に比べて吸収の効率が悪いため、食事量が多くなり、便量が増え、身体に負担を掛けてしまう場合もあります。
キャットフードによっては、野菜からビタミンを摂取できることをアピールしている場合があります。
しかし厳密には、猫が必要とするビタミンは、鶏や豚、ラムなどの肉から摂取できるため、野菜から直接、摂取する必要はありません。
そのため、野菜から抽出した栄養素や、サプリメントなどを添加しているフードを選ぶ必要はないでしょう。
ビタミンは猫の健康をサポートするためには欠かせない栄養素です。
しかし、キャットフードの原材料によっては、穀類の量が多かったり、肉や魚の量が少なかったりして、十分なビタミンが摂取できていないこともあります。
ビタミン不足は一見しただけでは分かりにくいので、年に1~2回の健康診断を行い、体調チェックをすると、足りない栄養素を見つけることができるのでオススメです。